欠田誠のマネキンの世界
第84話 チャリティーオークション「SILENT@KCUA2015」展

 東日本大震災復興支援・芸術活動支援チャリティーオークション「サイレントアクア2015」展が9月12日〜9月23日の日程で、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで開催されました。京都市立芸術大学では東日本震災直後の2011年より10年の継続を目標にして、毎年チャリティーオークション「サイレントアクア」を開催して復興活動への義援金を寄付して来ました。当初から平面作品のみの展示でしたが、今年から新たに立体作品の出品も可能となりましたので、私も初めて参加出品しました。今まで平面作品に限られていたのは、一般的に平面作品にくらべて立体作品は売れにくいという事だったのでしょうか?今日でも事情は変わったとは思えないので、これはあくまで私の独断にすぎません。
 平面は、ハガキサイズ〜SMサイズ以内程度、立体は、100mm×100mm×100mm以内程度、と  サイズの制限があります。私は数年前から試みている陶彫による小品を制作して8点出品することにしました。この展覧会は普通の美術展とは少し違ったシステムで行われます。作家名を伏せた状態で展示されますのでサインは作品の裏にする決まりがあります。落札後に初めて作者名が分かるという仕組みです。最低3000円から入札が可能で、入札数が1〜5人は青、6〜10人は緑、11〜15人は赤、というように作品に色印で表示されます。金額は表示されないので会期終了時、最高額の入札者に落札しますが同額の場合は先に入札した人に落札します。会期終了後に全ての出品作品および作家名を収録したカタログが刊行され、一般販売も行なうとのことです。

 私はこのような展覧会に参加するのは初めてなので、どの様な展覧会になるのか予想できませんでしたが、実際に会場で個々の作品に接し、展覧会の様子を見ると、一般の美術展や所謂オークションと違った、この展覧会独自の趣旨や意義がより理解出来たように思います。作家名や価格ではなく、災害復興支援・芸術活動支援をしようという互いの思いがうまくリンクすることで成り立つ活動であることが分かります。

東日本大震災の後、いろいろな分野の人たちが復興支援の活動に関わって来ました。私も多少の活動や提案などをしながら、マネキン作家の非力さを感じました。数回参加した現地支援旅行では、遅々として進まない現地の状況や立ち入り禁止の区域を遠くから眺め、やりきれない気持ちが募りました。そんな思いに駆られて、8点出品したものの今回の活動参加が自己満足の結果に終わるのではないかと危惧しました。真剣に取り組んだものの作品の出来具合や好みは致し方ない物があります、幸い8点全てが入札され、僅かでも支援活動に役立つことが出来たのではないかと思っています。

以前、・横浜ディスプレイミュージアム・の活動に協力して『女性と花を』をテーマにセラミック(陶磁器)による新しい花器の原形を制作して、第9回《国際フラワーEXPO》(会場・幕張メッセ)で作品を発表した経験が、私が陶彫を始めるきっかでした。セラミックの素材に興味がありましたが量産が目的でしたので効率の良い生産型を作る為に、造形上の制約が多くありました。

今は信楽粘土で自由な造形を試み、陶芸教室を主宰している友人の窯で焼成の協力を得て、焼き物の魅力を感じながら新たなテーマで陶彫制作を続けています。


写真
展覧会風景と出品作品の一部
作品は(女性と花シリーズ2点、ボディシリーズ4点、顔シリーズ2点) 3シリーズ8点出品
写真撮影 筆者